スクリーニングとして以前は私もSalesforceの採用担当として初期スクリーニングを担当していました。それ以降採用エージェントをやっている中で、ここ3-4年の経験を元にインサイトを抽出してみました。
採用担当面接のスクリーニングポイントとしては、1点のみで、部門面接へ通して良い人材かどうか?です。
人事の方も多くの候補者を部門に回したいし、その結果、採用数のゴールを達成したいと考えています。ですが、通した人材が部門面接で“部門通過 OR 惜しかった“と評されないケースを怖がります。「ちゃんと候補者をスクリーニングしたのか?」、「なんでこの候補者を通したんだ?」と言われる事が嫌なのです。
1、部門が求める能力を持っている人かどうか?
2、過去の転職経緯と、現職からの転職経緯に納得感があるかどうか?
3、この会社に入りたいと真剣に思えているか?⇛十分に調べてきているか?
4、変化に対して柔軟な人かどうか?過去に変化をしてきたエピソードがあるか?
1、部門が求める能力を持っている人かどうか?
例えば外資IT営業であったとしても、大手エンタープライズ企業、大規模な提案を成功させた事があるか?アカウントプランを描きそれを実行して行く事が出来るか?⇛エンタープライズ営業でのキーポイント。
再現性高く、多くの商談を並行して回して行き、短い期間でクロージングを書けていけるかどうか?⇛Commercial営業でのキーポイント。
一口に外資IT営業やBDRと言っても、現在の会社規模やポジションによって違いがでます。この情報を正しく理解した上で、面接に望む事は非常に重要です。
また、回答としては、いつ、どこの顧客でという面接者がイメージしやすい具体的なエピソードをお話頂く事で、能力が裏打ちされます。
2、過去の転職経緯と現職からの転職経緯に納得感があるかどうか?
このポイントが人事面談では重要です。転職を重ねていない方(新卒から同じ会社で初めての転職の方など)には、なぜこのタイミング転職したいと思ったか?を問われます。
採用担当の年齢が高いとか低いとかでは無く、Hiring Manager(自分の上席である方)である部長や部門長、最終判断を出す社長/カントリーマネージャらは40代、50代であることも多く、それらの方は候補者よりはコンサバな考え方になることが多いと考えてください。
新卒の会社で3~7年、次の会社で3年以上という事であれば、あまり問われる事はありませんが、新卒の会社で3年以内に転職、その後、ベンチャー企業へ2年置きに転職される事は、2024年現在30歳前後の方にとっては普通と考えるかもしれませんが、採用する方とはGAPが出ると考えるべきでしょう。
このGAPを埋める為には転職のストーリーが重要で、そのストーリーを組み立てて、それを自分以外の人(少し自分より年齢の高い方や、又は人材エージェント)に話をし、納得感が得られるかを検証するべきだと思います。
3、この会社に入りたいと真剣に思えているか?
人事面接、Hiring Manager、Hiring Managerの上司(役員や社長)すべてで重要です。それぞれのステージで重視される項目の違いはあれど、初回の採用担当面接までに十分準備した方が良いと思います。
- 受ける会社のWebサイトを見て、製品理解、導入事例については十分に時間を書けて読み込み、自分の中で落とし込む事が必要です。営業職であれば、自分の知っている顧客を想像し、誰にどのようなアプローチすれば、とっかかりを作れるのか?の筋道を立てる必要があります。技術職の方であればDeveloper向けライセンス、無料トライアルなどを申し込めるものであれば申し込み、触ってみると良いと思います。
- 製品を理解した上で、世の中や自分が対峙してきた顧客へどの様な価値を提供出来るかを考えた上で、志望動機を作成し説明できるよう準備すること。
究極論、自分の自己実現が“この会社”でないと実現できないと言い切る事ができれば、誰も否定できない最高の志望動機となります。
4、変化に対して柔軟な人かどうか?過去に変化をしてきたエピソードがあるか?
これは、2011年のSalesforceの採用担当時代に特に意識をした事項でした。
当時は外資のSaaS企業がまだめずらしく、ソフトウェアのセールスと言えば、パートナー営業か、ハイタッチ営業でも大きなディールだけを追いかける事が正となっており、小さくても多くのパイプラインを積んでいく事、SFAに細かい粒度で商談ステージを入力し、見える化させる事に変化させられた営業は上手く定着し、できなかった方の多くは会社を去る事を目の当たりにしてきました。
過去の成功体験だけにとらわれず、新しい会社、新しいプロダクト、新しい売り方、新しい価値観を受け入れ、変化させていく事ができたかどうか?当時のSalesforceの採用担当として、もし一つしか候補者に要求しない事を選ぶとしたらこのポイントでした。
最近カントリーマネージャの採用をお手伝いした時も、最終面談でCEOから、“過去のPlaybookを変化させた経験をお話しください”という質問を受けたケースがありました。
さて、どうでしたか?
この回では正解を説明するというより、採用担当がどのような視点で候補者を見ているかについて解説しました。自分なりに面接準備をした上で、上記ポイントに沿ってチェックをして望んでいただければ、突破できる確率は飛躍的に上がるのではないかと思います。


